【 第二章 第一話 】
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「準備は良いか?」
「はい、カイト様。必要な物は全て揃っています。」
「体調もバッチリだしな!」
ついに出発の日。『神の間』に入って以来あの声も聞こえずにいた。
不安は消えなくて募るばかりだけど、先に進まなくてはならない。
今この瞬間にも魔物は増え続け、民は恐怖に怯えている。
―――世界は少しずつ崩壊しているのだから。
「キリア?大丈夫か?」
私は私の存在理由を見つけなくちゃ。
私が本当に全神の力を持つなら、みんなを救わなくちゃ。
「うん、大丈夫!」
「そうか、じゃあ行こう。先ずは南の火の神殿だ!」
進もう、前へ。引き返す道はない。ただ進むだけ。
「動き出したみたいだね。」
「はい。南の神殿へ向かうようです。」
「ふぅん、シャルス・サラマンドラの神殿か。」
「全神が完全に覚醒したら我ら魔族にとっては厄介です。如何しますか?」
「んーどうしよっかなぁ。そりゃ覚醒はさせないけど・・・。」
「けど?」
「先ずは会ってみなきゃね。」
「会いに行く。」
― 旅の始まり ―
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